海辺の情景


昼近くに目覚め適当に部屋を片づけているとかずお君から電話。
「観光客のこない砂浜あるんですけど行きませんか?」

天気の良い日でふたつ返事で行くことにする。


見晴らしの良い特等席にはおっちゃんが二人、いい感じで海を眺めていた。

見かけ以上に頑丈で座り心地の良い簡易椅子。


そのことを告げるとごま塩頭のおっちゃんがニカーっと満面の笑顔。

「わしがこさえたんじゃ!」とのこと
その後、戦争でベトナムに行ったこと、その時に出会ったハノイのかわいい娘のこと
アメリカ軍の輸送船の積み荷からかっぱらったコンビーフの缶詰やミルクがすげーうまかったことなど

小一時間話しを聞く。
どうやらここの主らしい。


夏の陽気で近所の子供達が服のまま波とたわむれている。

テトラポットと中学生の相性は案外いい。

少し離れて砂浜にうちあげられていたのは体長70センチほどの 海亀。

けだるい海辺の時間が風景に溶け込む。


オーイ屋根の上の草達、そこから何が見える?

草達「海と砂浜、遠くにどっかの国のタンカーそれから・・おまえだよ」


ここにしっくり馴染んでしまった自称4WD。


「次どこ行きましょうか?」

下の砂浜から聞こえてきたかずお君の声が午後の風景に吸い込まれる。